ホクロ(色素性母斑)

ホクロについて

ホクロ顔のホクロは良性の腫瘍ですが、加齢とともにゆっくり徐々に増大して、盛り上がってくることがあります。また加齢に伴って徐々に色調が変化してくることもあります。
手のひら、足の裏、四肢、体幹のホクロは、様々な所見を呈します。生まれた時からあり変化しない、数年前からありゆっくり大きくなってきた、数か月前に気付き急に大きくなってきたといった経過も診断には重要です。
ホクロを主訴に当院を受診する患者様は癌が心配で来院することが多いです。悪性腫瘍との鑑別は非常に大切ですので当院で診察を受けたのちに治療方針を決定しましょう。
当院では悪性腫瘍との鑑別のため術前に肉眼的に所見を評価した後に、ダーモスコープという器具を用いて色素の分布パターンや特徴的な構造の有無を診察します。
手術した検体は病理組織検査に提出し、①良性腫瘍であるのか、②取りきっているかの確認を行います。

ホクロの除去方法

手術 

当院では切除を第一選択としています。ホクロの存在する部位によっても異なりますが、顔で4㎜以内であれば円形のメスを用いて縫合せずに上皮化させる治療(くりぬき法)を勧めます。顔以外の部位や顔の6㎜を超えるホクロは手術療法や、半寄せ法などを勧めることもあります。 

炭酸ガス(CO2)レーザー 

炭酸ガスレーザーは、ホクロやイボなどの除去に有効とされる治療です。 炭酸ガスレーザーは、照射後すぐに熱エネルギーに変換されて組織を蒸散させることで皮膚を削ります。手術と比較して治りが早く、傷跡が目立ちにくいことが特徴です。 照射後は熱凝固作用で血管がすぐに固まるため、手術による切除よりも出血も抑えられます。 ただし手術と異なり、完全には切除できない可能性があることから再発のリスクが高くなります。
また、病理検査に提出する検体が得られないため、悪性かどうかの病理組織検査に提出できなといったデメリットがあります。そのため当院ではCO2レーザーによるホクロ除去を行う際はあらかじめ一部分を切除しておいて、それを病理組織検査に提出することにしています。

ホクロ治療の経過とリスク

手術

  • まれに傷口からの出血や感染症、縫合することによる皮膚のゆがみが生じることがあります。
  • くりぬき法では術後4,5日であけた穴がふさがり、赤みが1か月程度残ります。
  • 手術では抜糸直後から縫合した部分の赤みが生じ、術後1か月までは赤みが強く出ます。
  • 通常の経過であれば約半年程度で少しずつ目立たなくなります。
  • 施術直後は、飲酒や激しい運動は避けてください。洗顔やシャワーは翌日から可能です。
  • メイクは、患部を除いて当日から可能です。傷部分のメイクは1週間後から可能です。

炭酸ガスレーザー

  • ほくろの大きさや状態によっては、1回の治療で処置が完了しないことがあります。
  • 施術後、数日にわたって赤みや内出血が生じることがあります。
  • 施術直後は、飲酒や激しい運動は避けてください。洗顔やシャワーは翌日から可能です。
  • メイクは、患部を除いて当日から可能です。傷部分のメイクは1週間後から可能です。
  • 3ヵ月程度は、日焼け止めを塗って紫外線対策をしてください。
  • 外科的切除と比較して、再発のリスクが高いです。

ホクロ除去は保険適用でできますか?

ほくろ除去を健康保険適用で行えることがあります。
一般的な健康保険の適応の基準として悪性腫瘍が疑われる、視界に入って邪魔になる、ひげを剃るときに引っかかる、顔面を洗うときに爪が引っかかって血が出ることがある、醜形を来している等の医学的に必要な場合が挙げられます。
診察時にご相談下さい。

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